事前研修

第9回 8月2日(土) 名古屋市立名古屋商業高等学校にて

 2014年8月2日(土曜日)に,名古屋市立名古屋商業高等学校 多目的ホールにおいて,平成26年度名古屋市立高校生海外派遣合同出発式がありました。
 今回の合同出発式では,ご多忙の中,名古屋市教育委員会,各校の校長先生方,保護者の皆さま,旅行会社の方がご出席くださいました。

 名古屋市教育委員会の三浦主幹様からは,「グローバルな社会,グローバルな視点についても考え,若々しい繊細な五感で,現地で見たこと,聞いたこと,感じたことをしっかりと胸に焼き付けて欲しい。」「この海外研修の経験が,やがて社会に出て,一層加速・進展したグローバル社会の中で大いに活躍されることに繋がっていくだろうと期待をしている。」というお言葉をいただきました。
 名古屋市立高等学校校長会会長 桜台高等学校の朝倉校長先生からは,「異文化理解や他国の人とのコミュニケーションで大切なことは笑顔。その笑顔を支えるのは健康。海外研修中はさまざまなストレスがあるかもしれないが,健康に注意して,しっかりと乗り切って欲しい。」というお言葉をいただきました。
 派遣団長あいさつでは,商業・工業・総合学科派遣団長の工業高等学校の坂井校長先生から,マレー語でのあいさつのあと「団員はこの海外派遣を一層有意義なものとするため,訪問する国の歴史・文化,そして生活習慣などを下調べし,それをお互い発表しあい,その情報を共有してきた。また,マレーシアの方をお招きしてのマレー語や英会話の語学研修,また,商業・工業の特徴として,現地の企業と国内の日本の企業の違いを学ぶため,現在,企業訪問をさせていただいている。また,6月14日にはこのNACOSのOB・OGの方による壮行会も開いていただいた。その壮行会では,NACOSの発足当時の熱い想いをお伺いすることができた。われわれはその熱い想いを胸にして,名古屋市の代表,そして,名古屋の親善大使となったつもりで,この研修を成し遂げたいと思っている。しっかりと現地で研修し,その成果をまた,帰って来てから,みなさんになるだけ広く,発表していきたいと思っている。」とご挨拶をいただきました。また,「このような貴重な体験をさせていただける名古屋市高校生海外派遣事業にご理解とご支援を頂いております皆さま方に深く感謝を申し上げます。安全な旅をして,帰ってきたいと思います。」という感謝のお言葉をお話いただきました。

 つづいて,商業・工業・総合学科派遣団の代表生徒(若宮商業高校)のあいさつでは,現地研修をより有意義なものとするために事前研修で実施している研修内容のご紹介や,「日本企業とマレーシア企業の経営理念や方針,形態などの違いを見学し,実態を掴むことで,ビジネスの視野を広げることを目標に学んできたい。また,ペナン博物館視察や世界遺産都市であるジョージタウンの視察などを通し,マレーシアを楽しみながら色々なものを見て,感じてきたい。常に,海外にいる,日本とは違うという意識を持ち,危機感を忘れず,安全な旅にしてきたい。」「研修で学んだことを最大限に生かし,現地の高校生と積極的にコミュニケーションを取ってきたい。また,ホームステイの受け入れ先の方々に,失礼のないよう,日本の常識にとらわれず,異文化を受け入れながら,親しんできたい。国際親善を深める中で,日本の文化を伝えるとともに,国際交流の力をつけてきたい。」「現地研修では大変なこともたくさんあると思うが,仲間と協力し,支え合いながら,価値のある経験にしてきたいと思う。今年で23回目を迎えるNACOSの伝統を受け継ぎ,また,次へと繋げていけるよう,責任と誇りをもって頑張ってきたい。」というNACOSに対する熱い想いを,ご出席されている皆さまの前でお伝えすることができました。
 つづいて,商業・工業・総合学科派遣団の保護者の代表あいさつでは,「自分たちと違う文化,違うものということで,否定をするのではなくて,そのことを理解して学んできて欲しい。」「現地の習慣を尊重して,失礼のないようにして欲しい。」「たくさん学んできて,そして,精一杯,楽しんできて欲しい。この海外研修の体験が,人生に素晴らしい色を与えてくれると思います。」というお言葉をいただきました。

 その後,普通科等派遣団と商工総派遣団が分かれて,各団による研修に入りました。
 研修では,旅行会社より,飛行機を乗るための諸注意や全体の工程,保険についてお話をいただきました。

 また,現地のコーディネータを担当していただくマレーシア科学大学の副田先生より,現地事情や「日本の若い人たちは欧米志向が多い。しかし,高校生・大学生という若い時期に,我々が住んでいるアジアの国々に行って,そこの人達がどんな考え方をしているのかを体験してくれたら良いと思っている。」というお話をいただきました。
 その後,質疑応答があり,午前中の研修は終了しました。



 午後からは,株式会社愛知ヤクルト工場において,企業研修を実施しました。
 はじめに,工場見学をさせていただきました。ヤクルトを入れる容器を成形する様子,ラベルをかぶせる様子,ヤクルトの充填の様子,容器のキャップ付けの様子,決められた本数の包装の様子などを見学することができました。また,ヤクルトが出来るまでの様子も見学することができました。ヤクルトの製造工程では,ヤクルトの品質を保つために,徹底した温度管理や衛生管理がされていました。また,あまり見学することができない,シロップタンクの洗浄の様子なども見学することができました。

 
 工場見学のあと会議室へ移動し,代表生徒のあいさつの後,今回の企業研修を担当してくださった加藤様と名刺交換をさせていただきました。

 
 つづいて,株式会社愛知ヤクルト工場についての会社概要を説明していただき,会社紹介用DVDを鑑賞させていただきました。

 人々の健康を願い,乳酸菌 シロタ株の強化培養に成功した代田稔博士の予防医学,健腸長寿,誰もが手に入れられる価格でという3つのシロタイズムについてお話をいただきました。予防医学の考えから,プロバイオティクスを生きたまま腸内に届かせるための徹底した品質管理である,温度管理や衛生管理についてお話をうかがうことができました。また,腸を守る乳酸菌であるシロタ株を一人でも多くの人に飲んでもらうため,世界32ヶ国で毎日約3,000万本飲まれていることをお話いただきました。また,ヤクルトの空容器で水をきれいにするための試みや再利用する試み,乳酸菌の力で化粧品を製造する試み,治療薬の提供など,さまざまな新しいことにも挑戦されていることを知ることができました。
 また,質疑応答では,団員から出されたさまざまな質問に対して,回答していただきました。

 今回,株式会社愛知ヤクルト工場へ企業訪問することにより,食品工場の様子,食品を製造するための品質管理,社会貢献,新しい事業への取り組みなど,本当にいろいろなことを学習することができました。海外の食品工場では日本国内とどのような違いがあるのかをしっかりと見学し,国内外の企業の違いについて理解を深め,国際的な視野を広げていきたいと思います。株式会社愛知ヤクルト工場の方々には,お忙しいなか,企業研修にご協力いただきまして,本当に感謝いたしております。ありがとうございました。