本校の教育目標で示す「責任を重んじる生徒」とは、単に約束を守る生徒のことでは
なく、教育基本法第5条(義務教育)にある社会の形成者として必要とされる基本的な
資質を身に付けようとする生徒のことと考える。そこで、人格形成が求められ、社会に
出て通用する人間の育成を目標とする中学校期には、「あいさつができる・時間を守る
・ルールを守るなど」の基本的な生活習慣はもちろんのこと、自己の役割を果たすこと
や集団の一員として協力する態度・公正な態度等、社会でよりよく生きていくのに必要
な態度や習慣を身に付けさせることが重要である。
次に、自主性と実践力について説明したい。本来、子どもはよりよく成長するものと
捉えている。そのため、教育環境を整えることで学習活動への興味・関心や意欲等を引
き出すことができると考える。
たとえば、落ち着いた雰囲気の状態では、できないことができるようになったり、仲
間と力を合わせて力一杯取り組んだりしたときの成就感を、どの生徒も一度は経験した
ことがあり、「もっと自分を伸ばしたい・頑張りたい」という思いが湧き上がったこと
だろう。こうした思いを日ごろの学校生活の中から芽生えさせていくことを基盤とした
「自ら進んで挑戦しようとする意欲や意識」が自主性であると考える。
また、ここで示す実践力とは、自主性を具体的な行動に結び付け、物事をやり遂げる
力であると規定したい。
以上のような考えに基づいて、「責任を重んじ自主性と実践力のある生徒」を育てて
いくには、日ごろの学校生活で全職員が共通理解のもと、基本的な生活習慣や集団生活
で培うべき態度を一人一人の生徒にきちんと指導して獲得させることが大切である。ま
た、仲間の力を合わせて学校行事を作り上げたり、勉強や運動を力いっぱい頑張ったり
して得られる成就感や満足感、さらに、目指したことをやり遂げて得られる達成感を繰
り返し味わわせることが重要であると考える。
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