鳴海地名辞典」(榊原邦彦著)より

戸 笠

☆  字螺貝の旧字。
   (あざほらがいのきゅうあざ)
☆  『鳴海宿留書帳』 の山方御見
  取りの条に「戸笠」とある。戸笠
  池の周辺を戸笠と呼んだもの。
☆  戸笠池は南区内の戸部村と笠
  寺村との頭文字を取って
池名と
  したもので,両村の用水にする
  為,鳴海の御林の中に築造した。
☆  『寛文村々覚書』に見えないの
  で,それ以後に出来た池であっ
  て,地名としての適用は,池が出
  来た後である。
 学校のある名古屋市緑区相川は,30年ほど前まで,鳴海町字螺貝と呼ばれていました。
 さらにその昔は,鳴海村字戸笠と呼ばれていました。そのことは,「鳴海宿留書帳」の中の山方御見取りの部分に書かれています。
 「戸笠」という地名は,近くにあった戸笠池の名前からとりました。
 南区の戸部村と笠寺村に用水をひくため,現在戸笠池のある鳴海の林を切り開いて,ため池をつくりました。そのため池は,戸部村の「戸」と笠寺村の「笠」をとって戸笠池と名付けられたのです。
 「寛文村々覚書」に「戸笠池」の名前がないので,少なくとも1661年以降に池が出来たと考えられます。