校長のひとりごと


第3号  5月12日(金)

友だち


 みなさん、ゴールデンウィークも()わり、夏休(なつやす)みまで祝日(しゅくじつ)がない時期(じき)がやってきました。
 今日(きょう)
全校(ぜんこう)のみなさんで、清掃活動(せいそうかつどう)をやってくれました。(いし)(ひろ)ったり、(くさ)をとったり、運動会(うんどうかい)のためにがんばってくれました。
 授業(じゅぎょう)
先生(せんせい)(はなし)()いて、勉強(べんきょう)していますか?先生のように(とし)をとるとなかなか(おし)えてもらう機会(きかい)(すく)なくなりました。(きみ)たちは(めぐ)まれています。先生の話をいっぱい聞いて、かしこくなってください。
 さて、昨日(きのう)、5月11日は(わたし)(とも)だちの命日(めいにち)でした。命日とはその人が()くなった日のことです。今から、50年くらい前、私が小学校6年生の時に、私の友だちは亡くなりました。小さいころから心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)という難病(なんびょう)で、病院(びょういん)を行ったり来たりしていました。
 4年生で(おな)じクラスになり、お(たが)いに相撲(すもう)が好きで、意気投合(いきとうごう)しました。よく運動場(うんどうじょう)で、二人(ふたり)で相撲をとっていました。
 6年生になって、肺炎(はいえん)をこじらせ、友だちはまた入院してしまいました。そして、11日、(いき)を引き取りました。クラスみんなで、かれの葬式(そうしき)に行き、かんおけの中の彼の姿(すがた)を見た記憶(きおく)(のこ)っています。
 それから、数年(すうねん)たって、そのクラスでクラス会をやった時、(あつ)まった(とも)だちはみんな、お(にい)さん、お(ねえ)さんになっていましたが、彼だけはまだ12歳の少年(しょうねん)(かお)でした。
 いつも、この時期(じき)になると、彼の分も長生(ながい)きしなくちゃいけないと思います。もう、私もかなり年をとり、来年(らいねん)辰年(たつどし)になると還暦(かんれき)と言って、こよみのワンサイクルをむかえます。世の中には、生きたくても、病気(びょうき)()んでしまう人は何人(なんにん)もいると思います。だから、その人たちの分まで、(いのち)粗末(そまつ)にせず、生きることがが大切(たいせつ)だと思います。私もこの60年、つらいことがいろいろありました。でも生きていれば、それ以上に楽しいことがありました。私は、彼の分まで長生きしてやろうと思っています。