平成14年 11月 12日

総合的な学習の時間。
講師の先生とボランティアの方々をお迎えし、お話をうかがい、みんなで車椅子を体験しました。


ひかれるようにお話を聞いています。 
講師の先生のお話

 みんなのまわりに、どのくらいの障害者がいるとおもう?
1億2千万人のうち、300万人は、障害者。
40人に1人は、障害者。
クラスに1人くらいは、いるってことだね。
年齢を重ねるほど障害者は増えていくので、
みんなの年齢から言うと、
このあと26人に1人は、障害者になる。
講師の先生のお話

障害者って何だとおもう?
車椅子に乗ってる人?
目が見えない人?
みんなの中で、眼鏡をかけてる人いるよね。
目が悪いから、かけてるんだよね。
目に障害があるから、かけてるんだよね。
あのね、眼鏡の人は、障害者。
鼻だって、そう。
嗅覚の鋭い犬に比べれば、みんな、障害者。

車椅子のたたみ方、開き方。
ブレーキ操作などを教えていただきました。

車椅子の動かし方。
なんでもない、運動マットの段差を乗り越えるのが、
どんなに大変か。
講師の先生のお話

ねえ、車椅子の人は、かわいそう?
私は車椅子でも、ハワイやオーストラリアへ、遊びに行きます。
車の運転もできるので、いろいろ出かけられます。
みんなはまだ免許がないから運転できないね。
かわいそうだなあ。
講師の先生のお話

ボランティア?簡単だよ。
車椅子の人に「こんにちわ」って声をかけてごらん。
白い杖を持った人に挨拶してごらん。
これだけで、すごい、ボランティア。

運動マットを乗り越えて、体育館を往復します。
足が使えないように正座をして乗ると、
予想以上にこわいのです。
講師の先生のお話

私は学生のときに、事故に遭い、入院しました。
そして、車椅子を勧められました。
車椅子に乗るまで、私は車椅子の人を差別してました。
「車椅子に乗る」ことは、「差別される人になる」ことなので、
車椅子に乗るのは、とても、イヤでした。
でも、何ヶ月も、ベッドの上にいてごらん。
動きたくなるんです。
・・・・・・・・・・・・
日本の社会全体が、やっと、車椅子の人を差別しないで、
「車椅子」を、「便利で楽しめる道具」だと認めるようになって、
私たち障害者が、
家の中から外へ出してもらえるようになったのです。
・・・・・・・・・・・・
「普通に、暮らせる、幸せ。」
ひらがなで3行に書いてみて。
それぞれのあたまの文字だけ、読んでごらん。



体験を終えての、生徒の感想です。
生徒も先生も、たくさんのことを学びました。

 あんなに明るくお話をされると、すごく普通に手も足も動く人かと思えた。
 車椅子に乗ってもいろんなことができる。スポーツや運転もできることがわかった。苦労もたくさんしている。でも、かわいそうじゃないことがわかった。
 どうしても少数より多数の意見が強いのが今の世の中だと思った。だから、すべての人が普通に暮らせるようにしたいと思った。
 5cmの段差を越えるとき、「後ろに倒れる」と思って怖くてたまらなかった。もし、外で、誰も知っている人がいないところだったらと思うとぞっとした。
 車椅子に乗ったとき、押してくれる人は普通に押してくれたけど、乗っている私にはとても速く感じられて怖かった。車椅子を押すときはゆっくり歩いてあげようと思った。