学校努力点

平成31年度 学校努力点テーマ

「自分の考えを持つことのできる道徳指導」

ねらいを明確にした対話活動を通して

 本校では、昨年度より学校教育の重点(学校努力点)のテーマを、「自分の考えを持つことのできる道徳指導」に設定し、「特別の教科 道徳」で研究を進めております。
 昨年度は、「仲間との対話を通して」をサブテーマに、教材に登場する人物等の心情や捉えさせたい内容を、自分との関わりとして考えられるようにすること、仲間の考えを知り、物事を様々な角度から捉えることができるようにすることをねらいに、以下のことを授業の中に取り入れ、指導の工夫を行ってきました。


① 教材の内容を捉える場面での、場面絵や役割演技などの体験的な活動
② 授業の中でのペア活動や話し合い活動など、仲間との対話活動


 
①については一定の成果が得られたと考えます。一方、②については、子どもたちが自分の考えをしっかりと持つために、授業のどの場面でどのような対話活動を設けるかといったことに、一層工夫することが必要であるという課題が、昨年度末の反省で挙げられました。
 そこで、今年度は、「ねらいを明確にした対話活動を通して」をサブテーマに、より効果的な対話活動の在り方を追究していこうと考えています。それぞれの学級での取り組みの様子は、6月や10月の授業参観、「くま小通信」や学年だより、学校ホームページなどで随時お伝えしていきます。年度末には、取り組みについての保護者アンケートも行う予定です。ご家庭でも、引き続き道徳の授業についてお子様と話題にしていただき、一緒に考える機会を設けていただきたいと思います。

授業の様子 
月 日 授業の様子 
6月19日(水) 【6年4組 父の言葉】
 「私」と「女の子」は話したことはないが、同じ病気で入院をしていた。退院後「私」は歩けるようになり、「女の子」は松葉杖をついていた。偶然「女の子」に出会ったとき、「私」は思わず隠れてしまうが、なぜ隠れてしまったのか。また、それを見た父は「隠れないで、行って話してあげたら」と言うが、そこにはどんな思いがあったのか。「私の行為」や「父の言葉」について考えることを通して、相手の気持ちを考えることの大切さに気付き、相手を思いやる心をもって行動していこうとする意識を高めることを目指しました。
 振り返りでは、「自分が思っていても相手は違うことを思っているかもしれないので、相手の気持ちを考えることの大切さがわかった。」「自分はそっとした方がいいと考えていたけれど、プラスの言葉を言って元気づけることも大切だと思った。」などの意見がありました。また、話し合いをすることで、「自分が思っていることと別のことを思っている人いることが分かり、話を聞くことで納得できることがあり面白かった。」と感じた児童もいました。

6月21日(金) 【6年1組 手品師】
 売れない手品師が、落ち込んでいる男の子を元気づけるために手品を見せ、明日も見せる約束をした。しかし、その日の夜に友人から大きな舞台に出演する予定だった手品師が病気で出られなくなり、代わりに売れない手品師を推薦したと電話があった。電話をもらって売れない手品師はどちらに行くか、という決断に迫られるというお話でした。
 子どもたちに、自分ならどちらに行くかを考えさせた上で、グループで話し合いました。 多くの子どもは「男の子との約束を果たすべき」という中、「友人の誘いを受ける」という児童もいて、グループでの話し合いが白熱しました。「誠実」というテーマで考えると男の子との約束を果たすのが誠実という意見が大勢になったが、友人の誘いを受けるという意見も一理ありました。

7月5日(金) 【4年4組 心と心のあく手】
 相手の気持ちや状況を考えて相手を思いやり、進んで親切にすることができるようになることがねらいです。「心と心のあく手」という教材を使いました。
 目の前に足の不自由なおばあさんを見付けた「ぼく」は、おばあさんのことが心配になり声を掛ける。しかし、「荷物、持ちます。」と声を掛けたが断られてしまう。「ぼく」は残念に思うが、おばあさんは歩く練習をしていてあそこまで治ってきたことをお母さんから聞き、おばあさんの本当の気持ちに気付く。数日後、「ぼく」は、またおばあさんに出会い、今度も心配になるが、声を掛けるのではなく、そっと見守ることにした。
  この話から、声を掛けた「ぼく」と、見守った「ぼく」のそれぞれのよいところを考えました。そして、どちらもおばあさんを心配している気持ちがあることに気付きました。「本当の親切をしているのは、過去と今どちらの「ぼく」ですか」と問い掛けると、「今の方だ」と言います。それは、「おばあさんの気持ちが分かっているから」と説明しました。さらに、過去の「ぼく」も親切であり、過去に声を掛け、一度断られてもずっと心配する気持ちをもち続けていた「ぼく」の親切な心にも気付きました。話し合いを通して、親切についての考えを深めていきました。

7月10日(水) 【3年2組 今度はぼくの番かな】
 主人公のりょうは友達のサッカーの誘いを断ることで、別の友達が経験したように自分も冷たくされるかもしれないという不安を持ちつつも、予定があることをきちんと伝えた。その結果、友達に理解してもらって翌日楽しく遊ぶことができた話から、友達と分かり合うために大切なことは何かを考えました。
 「自分の考えをしっかり相手に話す」、「できないことはその理由をちゃんと伝えるようにする」など、友達と分かり合うためには自分の意思を相手に分かってもらえるように伝えることが大切であることに気付くことができました。
 記述した考えを基にグループで話し合い活動を行い、友達の考えを聞いて自分の考えと比べることができるように、自分の考えと似ている友達の名前を書いたり、違っている友達の考えを書いたりしました。自分の考えをグループの友達に伝えたり、友達の話にしっかり耳を傾けたりし、積極的に話し合い活動に取り組むことができました。

7月12日(金) 【5年4組 ロレンゾの友達】
 罪を犯したと疑われるロレンゾへの3人の友達の対応について考えることを通して、友達のことを思い、自分のできることを考え、行動しようとする気持ちを高めるねらいで実践を行いました。
 3人の対応の理由についてグループで考え、出し合いました。3人に共通していることとして、それぞれが「ロレンゾを思っている」「友達のことを考えている」ということが分かりました。その後、「本当の友情」をもっているのは誰なのか、自分の考えをもった上で、全体で話し合いをしました。「いけないことはいけないと言ってあげるのが本当の友達」「悪いことをどうしたらいいかを考えるのが本当の友達」などと発表していました。反対に、「ロレンゾが納得しないまま、警察に連れて行っても本人のためにならないから」と発表する子もいました。
 子どもたちは互いの意見を聞きながら、中には考えを変える子も出ました。 話し合いを通して、本当の友情とは「相手を思いやること」「友達の将来を考えてあげること」など、それぞれが友達のことを思い、自分のできることを考え、行動しようとする気持ちを高めることができました。

9月9日(月) 【6年3組 友達だからこそ】
 公平にくじ引きで決めた野外学習の班をこっそりと交換しようと誘いかけてくる仲の良い友達の今日子さんがいる。みんなにばれずにくじを交換すれば、誰も嫌な思いをすることなく、みんなが楽しく野外学習に参加することができる。しかし、交換を持ちかけられた友美さんは、「ずるをすると楽しむことができなくなる。」と断る。そのことで、友美さんと今日子さんは、仲が悪くなってしまうという話から授業を行いました。
 友達が良くないことをしようとする時に注意したり、止めさせたすることができるような本当の信頼関係を作ることの難しさについてグループで話し合いを行いました。グループで話し合いをする中で、「仲の良い友達だからこそ、関係を壊さないためにこっそりくじを交換してしまうかもしれない。」「正しいことを伝えたのに、けんかになってしまうのは、本当の友達なのかな。」と意見が出ました。友達関係がより深くなってくる高学年として、友達関係の難しさについての葛藤に触れることができ、友達との関わりを改めて考える時間となりました。

9月10日(火) 【たいよう・さくら組 金のおの】
 正直者の木こりは、金のおのも銀のおのも手に入れることができ、不正直者の木こりは、何ももらえなかったというよく知られたお話を読み、うそをついたり、ごまかしたりせず、正直であることの大切さに気付かせる授業を行いました。
 ダンボールで作った金のおのと銀のおのを見せて、「これを見せられたらどう思うかなぁ」と言うと、「ほしい!」「ぼくだったらこれ(金のおの)が自分のものです。と言ってしまうかもしれない。」という意見が出ました。木こりも心の中ではそう思ったかもしれないけど、「これは、私のものではありません。」と正直に言ったら、「女神さまは、金のおのも銀のおのもくれたんだよ。」と伝えると、いいなぁ。という表情をしていました。
 ペープサートや、具体物を用いることで、正直者が得をして、不正直者が損をするということを押さえることができました。
 その後、具体的に3つの場面を設定して、うそを付いてしまう理由について話し合いました。「怒られたくないからうそを付いてしまうのかな。」「自慢したいという気持ちからうそを付いてしまうんだと思う。」と活発に意見を言うことができました。そうやってうそを付いてしまうこともあることを認めつつ、でも、そのままうそを付いていたら、信じてもらえないし、あとで怒られるということを話しました。うそのせりふと、正直のせりふを言わせるロールプレイを行ったところ、宿題がないと言ったうそには、「先生が倒れちゃったから今日の宿題はないんだ」とうそを付くとそのうそを隠すためにまたうそを付くという言葉が出て、正直に言えたときには、相手も自分も気持ちよくなり、人としても信頼される人になるということに気付くことができました。

9月20日(金) 【1年4組 かぼちゃのつる】
 わがままなかぼちゃが自分のつるを伸ばすためにみんなが使う道や、隣の畑に勝手に入り、注意されてもやめずに迷惑をかけていました。そのまま伸ばし続けていると、最後には車が道を通り、踏まれて切れてしまったという話でした。わがままをすることはどのようなことか、周りに気を配りながら生活する大切さに気付かせる授業をしました。
 話を進めていく中で、かぼちゃや周りの気持ちを考えていきました。そこで、かぼちゃのよくなかったところを考え、どうすればよかったかをかぼちゃに教えるために話し合いをしました。話し合いで自分だけでなく、違う人の意見も知ることができました。「言うことを聞くとよかったよ。」や「人の気持ちを考えるとよかったね。」など、かぼちゃが周りに迷惑をかけていることに気付き、それを改善するための意見が出ました。日頃の自分を振り返り、今後の生活を見直すきっかけとなりました。

9月30日(月) 【4年1組 かわいくない】
 とても仲よしの友達と楽しくメールを送り合っていたのですが、送ったメールの一言で、相手に不快感を与えてしまったことから、書き言葉で思いを伝えることの難しさに気付き、いつも相手に真心をもって接しようとすることの大切さについての授業を行いました。
 表情カードを使用したり、班を基にした「情報収集の旅」を行ったりしたことで、千里と美咲がお互いにとてもうれしい気持ちでメールを始めたのに、肯定の意味で伝えた「かわいい」が、書き言葉では否定の意味に勘違いされてしまい、仲がよかっただけによけいに怒らせてしまった気持ちを、様々な視点から意見交流することができました。

9月18日(水) 【1年1組 なかなおり】
 友達に借りた消しゴムを誤って割ってしまった「ぼく」は、「たかちゃん」に謝った。ところがたかちゃんは許してくれなかった。その態度に腹を立てたぼくは「もうたかちゃんとは遊ばない。」と言い、2人はけんかをしてしまう。しかし、先生から特別な大事な消しゴムだったことを聞き、反省したぼくはもう1度たかちゃんに謝り、2人は仲直りしたという教材です。
 授業では、登場人物のその時の気持ちを5種類の表情カードを使って一人一人考えることができました。実際に隣の友達と「ぼく」と「たかちゃん」の役になって自分の考えた言葉で謝ることができました。「間違ったことをしてしまった時は素直に認めて謝る。」「心をこめて謝る。」「謝られたら、許す。」ということを学ぶことができました。

10月25日(金) 【4年3組 絵はがきと切手】
 ひろ子に、友達の正子から絵はがきが届く。料金不足だったため、不足料金を払う。正子は、定形外郵便物は、120円切手を貼る必要があることを知らなかったと思われる。ひろ子は、友達の正子に料金不足だったことを教えるか教えないか悩むという話から、自分がひろ子だったらどうするか考えました。
 はじめは、「お金のことで気を使わせたくないから」「正子を悲しませたくないから」、教えないと考えていた児童も、「本当の友達だからこそできることは?」と問いかけると、「本当の料金のことを知った方が、今後の正子さんのためになる」「本当の友達だから、正子さんも分かってくれる」から、教えた方がよいと考えるようになりました。友達と互いに理解し、高め合うことの大切さに気付き、友達のために行動しようとする気持ちを高めることができました。

12月10日(火) 【5年2組 だれかをきずつける機械ではない】
 ネットいじめをなくすにはどうしたらよいかを考えることを通して、「いじめのない社会実現のために正義ある姿で人と接しようという意識を高める」ことをめざし、話し合い活動を中心とした授業を行いました。
 始めにネット反対派と賛成派でディベートを行い、顔が見えないやりとりであるスマホやネットが、いじめを含め危険をはらむものであるという共通認識をもちました。さらに、24時間逃げ場がない、相手がわからないなど、リアルないじめとネットいじめの違いを確認しつつ、「なぜネットいじめが起こるのか」をフリートークでクラスで話し合いました。「相手の表情が見えないからいじめている自覚がない」「ネットの中だから誰にも見つからないと思ってやる」「顔が見えないと言いやすい」等、様々な意見が出されました。さらに「ネットいじめをなくすにはどうすればいいか」をクラス全体で話し合い、「言葉を送る前によく考える」「顔が見える状態で伝える」「困ったら誰かに相談する」「その言葉がいじめかそうでないかは受けとる人によって違うから、そこを判断するのが大切」等、子どもたちからは多様な意見が活発に出されて話し合いを深めることができました。最終的には、「いじめをなくすために一番大切なこと」として、子どもから「人を思いやる気持ち」「やさしさ」「正しいかどうか判断する力」「想像力」という意見が出され、話し合いがまとまりました。

11月28日(木) 【1年5組 よくばりヤドカリ】 
 体が大きくなるにつれて貝を取り替えるヤドカリくんが主人公です。使わなくなった貝殻を決して譲ろうとしないヤドカリくんが、大きなヤドカリにきれいな貝殻をもらう約束をすることで、これまでの自分の行動を見つめ直す話です。
 ペープサートを使った読み聞かせの後、場面の様子を想像しながら、みんなでヤドカリくんの気持ちを考えました。ヤドカリくんが思い付いた「とてもいいこと」はどんなことなのか、隣の児童と二人組になって、自分の考えを伝え合いました。さらに、わがままや自分勝手な気持ちで行動してしまったときどうすればよいか、自分の行動を振り返りながらワークシートに書くことができました。自分の行いを振り返ることの大切さや、自分勝手な行動をやめた時の気持ちよさについて学び合いました。

12月4日(水) 【1年3組 はしの上のおおかみ】
 おおかみは、ある日、山の中の一本橋でうさぎに出会い、追い返していばって橋を渡ります。いじわるがおもしろくなったおおかみは、森の動物達も追い返します。ところが大きなくまに出会った時、自分からこそこそ戻ろうとします。くまは優しくおおかみを渡らせてくれます。おおかみは、優しく接してくれたくまの姿から、親切にすることの気持ちよさに気づき、ウサギや動物たちに優しく接するようになるお話です。
 場面絵を掲示しペープサートを使って読み聞かせを行いました。子供たちは隣の人と登場人物を演じて気持ちを考えたり、おおかみが優しくできるようになった理由を話し合いワークシートに書いたりすることができました。また、これから友達に対してどのように接していきたいか考えました。授業を通して、相手の気持ちを考え、友達に思いやりの気持ちをもって接することの大切さについて学ぶことができました。

12月9日(月) 【6年2組 ひきょうだよ】
 学級内で起きたいじめについての物語です。主人公の「ぼく」は、いじめを見ていることしかできませんでしたが、いじめられていた子が転校することになり、最後の日に何もしてあげられなかったことを謝ります。しかし相手には、最後だけ謝るなんて「ひきょうだよ」と言われてします。
 授業では、この「ひきょうだよ」という言葉の意味について話し合いを行いました。「ぼくのしたことはひきょうなのだろうか」という問いかけに対して、「何もしなかったのに自分だけいい人振るなんてひきょうだ」、「勇気を出して正直に謝ったのだからひきょうではない」などと多様な意見が出されました。互いの立場で意見の対立も見られましたが、「この学級の中で最も大事にされるべき人は誰なのか」という視点を与えると、「いじめが起きている状況では、いじめられていた子が感じたことが全てだ」と発言する子もいました。話し合いの中では、「ぼくにも、いじめられている子を助けたいという気持ちはあった」「いじめを止めることはみんな怖い」などと、「ぼく」が行動できなかったことに共感する児童も多く見られました。これらを踏まえて、いじめを止めることは簡単なことではないが、いじめに気付いた人は、どんなに怖くてもその場で行動しなければならないのだということを理解することができました。

1月16日(木) 【4年2組 かっこいいせなか】
 運動会の準備中のゆうだいの気持ちを考える場面では、場面絵を提示し、表情カードを使い、この場面でのゆうだいの気持ちを選ばせました。子どもたちは笑顔の表情ではなく、怒りや悲しみ、めんどくさそうな表情を選んでいました。「なんで、ぼくたちがやらなければいけないのか」「5・6年生がやればいいじゃん」と登場人物の気持ちを捉えることができました。
 ゆうだいがしょうさんのせなかを見て、なぜかっこいいと思った場面で、班で話し合いをすると「疲れているのに、運動会の道具を片付けている姿がかっこいいから」「周りの人のために片付けをしているから」などと自分の考えを話し合っていました。話し合った結果、多くの班で、自分のためだけではなく、みんなのことを考えて行動していることの大切さに気付くことができました。

12月17日(火) 【5年3組 図書館はだれのもの】
 「悪いことをしていたわけではない、学級新聞を作るために話し合いをしていたら少し声が大きくなっただけだ」と、わたし以外の編集委員は大学生のお兄さんから注意されたことに反発します。しかし、どんな理由があるにしろ、図書館で大きな声を出すことはマナー違反です。図書館では静かにしなければならないというルールは、図書館をだれもが気持ちよく使うためのものです。そのルールを、たとえ「良いことをしているのだから」と言って破ることは、ほかの人が図書館を使う権利を侵すことにつながります。
 ルールはみんなのためにあり、それを守ることが集団で生活する場合には大切だということをみんなで話し合い、考えることができました。

1月17日(金) 【3年3組 三本のかさ】
 「こんにちは。」「おじゃまします。」きょう子さんの家に、なお子さん、りょうへいさん、つとむさんが、遊びに来ました。あっという間に帰る時間になり、玄関を出ようとすると大粒の雨が降っています。すると、きょう子さんは「みんな、傘持っていって」といって、三本の傘を三人に貸しました。その後、三人はそれぞれ返しに来てくれました。三人が返してくれた傘を見て、きょう子さんはとてもすがすがしい気持ちになりました。
 授業では、この三人のそれぞれの傘の返し方について押さえた後の「三人に共通している良いことはなんだろうか」という問いかけに対してグループで話し合いました。ホワイトボードには、「三人ともありがとうとお礼を言っている」「笑顔で返している」などの多様な回答がありました。そして、大切なことは形ではなく、相手への感謝の気持ちであることに気が付くことができました。

12月12日(木) 【2年3組 友達と仲良く】
 森の動物たち(うさぎ、たぬき、きつね)が仲良く遊んでおり、「仲間に入れて」と言ったさるに対して、「いいよ」と言ったきつねの行動について考えました。何度も縄に引っかかってしまうきつねさんに、うさぎさんとたぬきさんが文句を言ってしまう場面で、きつねの気持ちについて考えました。場面で区切ることにより、混在することなく、その時の行動や気もちに対しての意見を考えることができました。
 きつねが跳べなくて、もめてしまった場面での改善策を、グループでホワイトボードに書きました。これにより、子供たちは積極的に話し合い、多くの意見を出していました。どの班も「優しく声を掛ける」「一緒に練習する」など、相手の気持ちを考えた仲良くするための解決策を導き出していました。その後、ホワイトボードを黒板に貼り、共通点をみんなで見つけ、仲良くするために大切なことについて考えを深めることができました。

1月23日(木) 【1年2組 きいろいベンチ】
 ドロドロの靴でベンチに乗って紙飛行機を飛ばし、後からベンチに座った女の子に迷惑をかけてしまった主人公の行動について考えていきました。
 主人公はどうやって遊ぶべきか、という問いかけに対し、「地面で紙飛行機を飛ばせばよかった。」「靴を脱げば迷惑をかけない。」といったことを、ペアの対話活動を通して自分の考えをもつことができました。自分自身の行動を振り返り、「人に迷惑をかけないように遊ぶ。」「学校にある物は大切に使う。」といったことを考えることができました。

12月18日(水) 【3年1組 たっ球は4人まで】
 主人公しゅんが仲の良い友達を誘って卓球する約束をしていたところに、学級の子とおるが「僕も卓球に入れてほしい」と言い、しゅんが「卓球は四人までだから」と断った時の主人公の気持ちを考えました。
 仲間外れにして後悔しているような表情や気まずい思いをしているのではないかという意見がたくさん出ました。その後、気まずい関係の二人が、お互い気持ちよくいるためにはどうしたらいいかを主人公がいつ・どうすればよかったのか、どうしたらこのような状況にならなかったのかをグループで話し合いました。しゅんが最初から一緒に入れてあげればとおるを悲しい気持ちにさせずにすんだということを考えることができました。今後も、友達同士気持ちよくいられるためにどのようなことが必要なのか考えることができました。

10月4日(金) 【5年1組 森の絵】
 自分のなりたかった役になれなかったえり子は、役にも背景の森の絵を描く仕事にも気持ちが入りません。ただ、文男は自分のやりたかった仕事ではないのに一生懸命に取り組んでいます。「だれかがやらないと、げきにならないじゃないか。」という文男の言葉が気になったえり子は、学芸会を成功させるため、気持ちを入れ替えて仕事に取り組みました。
授業では、心に残る学芸会とはどんな学芸会かを考えました。心に残る学芸会にするためには、一人一人が「学芸会を成功させるためにみんなのために自分の役割をしっかり果たす」という気持ちをもつことが大切です。登場人物の気持ちの変化に注目して、心に残る学芸会とは、どんな学芸会かを個人で考えたり、グループで話し合ったり、ホワイトボードにまとめたりしました。子どもたちは、「役になり切ることが、自分の役割を果たすことにつながる」「友達が失敗しても、笑わない。フォローする」などと心に残る学芸会にするために意見を出し合いました。今後も様々な場面で、みんなのために自分の役割を果たしてほしいと思います。

9月19日(木) 【2年2組 あと少し】
 この物語は、練習を頑張って続けた「ぼく」が、二重跳びができるようになり、充実感を得るというものです。主人公である「ぼく」の気持ちや、二重跳びの練習に対してのやる気をメーターで表したり、場面ごとに区切って内容の読み取りをしたりしたことで、「ぼく」の気持ちについて活発な意見交換ができました。また、小グループでの話し合い活動を取り入れたことで、一人ひとりが自分の意見を友達に伝えることもできました。 話し合い活動を通して、「努力」「あきらめない心」の良さに気付くことができました。

9月24日(火) 【2年1組 だらだらパンダとはりきりパンダ】
 宿題をやらなければならない主人公がだらだらパンダに誘惑されそうになっている場面で、何とアドバイスするとよいか考え、話し合いました。「先にやらないと夜やらなきゃいけなくなるよ。」という意見に、だらだらパンダ役の児童が「明日の朝パパっとやればいいじゃん。」と言うと別の児童が「急いで適当にやったらやり直しになるよ。」と意見を述べることができました。
 このようなやり取りをすることで、「やはり、やるべきことは先にやっておいたほうが良い。」という考えを深めることができました。また、自分の中のだらだらパンダはどんな時に出てくるか、誘惑に負けそうな自分に何と言ったらよいか小グループで交流しました。友達の意見を「ある。ある。」と共感しながら聞くことができました。

10月29日(火) 【2年4組 教えていいのかな】
 主人公が友達の母と名乗る人からの電話をとり、クラスメイトの連絡先を聞かれた場面で、連絡先を教えていいか教えていけないかについての話し合いをしました。「教えていい」と思う児童と「教えていけない」と思う児童の理由の発表を行いました。「教えていい」派からは、「知ってる人だからいいんじゃない?」という意見が出ました。「教えていけない」派からは、「電話だと相手が本当にその人かわからないからだめなんじゃない?」という意見が出ました。物語の結末が、本人でなかったことに加え、理由を交えた話し合いをしたことで、全員が「教えていけない」という結論に至ることができました。
 最後に、自分が主人公の立場ならどうするかという発問をしました。「お母さんがいないかったら教えない」や「すぐに切る」など、道徳的実践力につながる記述が見られました。

1月20日(月) 【2年5組 ぽんたとかんた】
 ぽんたの気持ちを想像して役割演技をすることで、迷った後正しい選択がきたぽんたの気持ちに迫ることができました。また、グループの話し合い活動を通して、ボードに自分たちの考えをまとめて書き出すことができました。良くないことをしそうな場面に遭遇しても、よく考えることで正しい判断ができるようになることに気付くことができました。

10月1日(火) 【3年4組 悪いのはわたしじゃない】
 友達に誘われていじめをしてしまった女の子が主人公のお話です。読み物資料への理解を深め、登場人物の心情が話の進行につれてどのように変化していくか自分なりの考えを持つため、紙芝居を見ながら考えました。紙芝居の後で、「この話では、主人公がいじめを行ってしまった。いじめを起こさないためには、主人公はどうすればよかったのだろうか」と考え、ワークシートに自分の考えを記述しました。
 その後、記述した考えを基にグループで意見交流を行いました。偏った接し方をすると周囲の人を傷つけることに気付き、いじめを絶対にしない、させないという気持ちを高めることができました。


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