はじめに
須田宣洋
平成13年度名古屋市立商業科・工業科高校生海外派遣事業は、今年で10回目となりました。この事業がスタートしたのは平成4年。当時の日本は高度経済成長が続き、世界経済への影響力も大きく、とくに東南アジア諸国では、日本企業による現地工場での生産活動をはじめ経済活動が活発に行われるようになりました。産業経済の国際化が進展する中、専門高校生が東南アジア諸国を訪れ、@地元企業の外国での活躍状況を研修しA広い視野を持ち異文化を理解し尊重する態度を養いB異なる文化を持つ人々と共に生きていく資質を養うこと、などを目的にこの研修が始められたものと認識しています。今年の研修は、過去9回の貴重な実績や経験を基本に日程や研修先の計画を立てました。したがって、企業訪問・高校訪問・ホームステイなどの研修先は過去に研修団が訪れたところが多く、どこでも大歓迎を受けたのが印象的であり、この事業が各方面で大変評価されていることを実感しました。
研修旅行に先だって15回の事前研修を行いました。初めて外国旅行をする生徒がほとんどであり、@国際人として自覚を持つことA訪問国の生活習慣・宗教・食文化など理解することB自分のテーマをきちんと持つこと、などを主眼に11名の講師の先生による指導、研修団OBからの助言は団員にとって心強いものとなりました。事前の工場見学では、全員が積極的に質問をする姿勢に、充実した研修になることを確信しました。研修が進むにつれて団員の不安も増していき、「生水は絶対飲むな」「パスポートは命の次に大事」「食べ物は全てが辛い」「トイレが想像できない」「左手は不浄」「マネーチェンジは」「ホームステイ先の家族が13人」・・・。
7月22日名古屋空港集合・出発式。大勢の方の見送りを受け、責任の重大さをひしひしと感じ、「何もなくて当たり前」の16日間であることを肝に命じました。団員は全員が明るく健康的な生徒達であったため、研修旅行中は「良く食べ」「良くしゃべり」「良く眠り」実にチームワークが良かったことからも、それぞれが楽しく充実した研修が出来たものと思います。事故や病人・けが人は殆ど無く、出入国手続きや旅行日程上のトラブルもなにひとつ抱えず、8月6日に名古屋空港へ帰着できました。順調な研修旅行ができたことを大変感謝しております。
研修中はNACOSホームページでNACOS 2001リアルタイムレポート第1号〜16号」により、研修中の様子を写真入りで報告しました。全て団員の手によるもので、これも研修の大きな成果であると思います。訪問した現地企業の担当者が、旅行中の研修団の動向をキャッチし、事前に情報を入手されていたことに、改めてインターネットの威力を感じました。団員がノートパソコンやデジタルカメラを携行し、通信事情の不安定な環境で懸命に努力したことは立派であったと思います。
タイ・マレーシア・シンガポール研修中には、日本の高校生の研修団や修学旅行を見かけることも多くありました。将来を担う高校生が、外国を訪れて異文化に触れることはそれほど困難ではないことを実感し、この事業のますますの発展を期待したいと思っております。
最後になりましたが、今回の研修に際し名古屋市教育委員会のご理解とご支援に深く感謝申しあげます。また、研修を支えて下さった多くの皆さま(関係学校長、諸先生、保護者、研修講師、研修団OB、訪問企業スタッフ、サハリマン氏、添乗員野村さん)ありがとうございました。