7月24日(第3日目)の報告
2000年7月24日(土) バンコク |
みなさんこんにちは。ナコスです。 今日は、今回の研修最初の山場、「はじめてのおつかい」ならぬ、『はじめての企業訪問』と、『はじめての学校訪問』がありました。いままで、観光旅行めいたことばかりやっていたので、少し緊張した朝を迎えました。 バンコクの都市高速道路をしばらく走ると、街は都会から一転、緑豊かな郊外へと変わりました。午前中は企業訪問として「リンナイ・タイランド株式会社」に行きました。リンナイ・タイランドは、ガス給湯器などでおなじみの、あのリンナイが出資して設立した現地法人です。到着すると、勤務時間中にもかかわらず、たくさん社員の方々がお出迎えくださいました。私たちを案内してくれた水本さんは、タイに10年もお住まいだそうです。 会議室にて会社の概要などを説明していただいた後、工場の中を見学させていただきました。生産品目は、もちろんガス関連器具が多数を占めるわけですが、それを製造する切削技術などを応用して、自動車部品から冷蔵庫のドアなどまで、幅広く手がけています。水野さん曰く、製造する商品はいわばアプリケーションなわけで、それを作る技術を多数の製品に応用することは、会社の生存力を高めるために、大切なことなのだそうです。 またこの会社は、原料の仕入れから製品の出荷まで、一貫して同じ工場で行っています。気候の関係から、ガス機器の需要は低いため、下請け孫請けに作らせるほどの部品が無いそうなのです。工場内を見学してわかったことは、まず、なんといっても「女性が多いこと」です。技術職でも事務職でも、女性が高いポストに就き、男性がそれをサポートする形でした。ちなみに、最高責任者も女性です。女性を優先的に採用するような制度は無いそうですが、やはり仕事をきちんと、丁寧にこなす人材が欲しいそうです。 最近は、産業空洞化といって、いままで日本国内で作っていたものを、労働力のやすい海外で作らせ、それを日本へ輸出するようになっています。しかしそれは、製品の価格が安くなる一方、製造業の従事者が失業し、結果として景気は悪化する、というのが一般的な考え方です。 しかしこのリンナイ・タイランドは、他の多くの日本企業のように産業空洞化を助長するのではなく、現地法人で製造するものは、あくまで現地の人向けのものであり、輸出や逆輸入などはほとんどしないそうです。「品質こそ我らが生命」の標語も、凛として見えた気がします。お忙しい中、とても好意的に案内してくださり、水本さんはじめ、会社のみなさんに心から感謝申し上げます。 SolTwin Towers Hotel でタイ料理バイキングを楽しんだ後、いよいよポピビム高校の学生と交流です。高校に到着した私たちは、いきなりきれいなお花でできた首飾りをつけられて、それに驚く間もなく、交流会場へ案内されました。案内してくれたのは日本語を数年勉強した高校生たちで、その他たくさんの高校生たちも「こんにちは」「いらしゃい」「あなたの名前は?」などと、次々に話しかけてくれました。その日本語がとても上手で、英語も日本語も、そしてタイ語も話せる、まさにトリプルリンガルな高校生に遭遇したわけです。 交流会は、ナコスのメンバーが学校ごとに二人ずつわかれ、その二人に対して、10人程度の学生が加わるグループに分かれて進められました。それぞれのグループで、タイの紹介(人気アニメ、ヒット歌手、生活習慣、風習など)をされたり、家族の紹介をされたりしました。そしてナコスのメンバーは、日本から持参したカード(写真と、それについてのひらがなでのコメント)を使った自己紹介や、学校紹介のパンフレットを見せたりしました。タイのお菓子や、はちみつ味のジュースなどもごちそうになりました。また、学生によるタイダンスのショーでは、とても同じ高校生とは思えない美しい女の子たちが、踊りを披露してくれました。そして、勧められるがままに、タイダンスに加わったメンバーたちでした。 そうこうするうちに予定の時間は過ぎ去り、ポピットピム高校での交流会は終わりの時がやってきました。その頃には、メンバーともすっかりうち解けあい、名刺交換や写真の取り合いに没頭していました。驚くべきことに、タイの高校生はほとんど、Eメールアドレスを持っているのです。 さて、おもてなししてもらったからには、お礼もしなくてはいけません。ということで、交流会にいた高校生のなかから、20人程度をホテルに紹介し、返礼夕食会を開きました。そこでは、女性は浴衣、男性はハッピに着替え、日本から準備してきたビンゴゲームや、ドラえもんの歌、愛知県のクイズなどで楽しみました。会の進行は当然ナコスのメンバーですが、英語は使えないに等しいので、日本語でゆっくり話しました。 高校生と交流してわかったことは、何事にも積極的であるべきだということ、たとえ言葉が通じなくても、同じ高校生ということだけで、いわんとしていることが自然に分かる、そんなハートフルコミュニケーションができれば、それで十分だということです。観光旅行では経験することのできない、大切な思い出をまた一つ、つくることができました。日本に帰ったら必ず手紙を書くと約束して、ポピットピム高校との交流は終わりました。 明日はタイ4日目。水上マーケットやバンパオン宮殿、アユタヤ遺跡などを見学する予定です。水上マーケットでは、船で川下りをしながらのお買い物です。いよいよタイも最終日。買い物は「負けた」「負かした」のゲームです。がんばって賢い買い物をしようと思っています。 それでは、また次回の報告でお目にかかります。
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