道徳的価値の自覚を深める道徳の時間の指導に関する研究

目的この研究は、児童の体験を生かした指導法の工夫をとおして、道徳的価値の自覚を深める道徳の時間の指導の進め方を明らかにし、道徳の時間の指導の改善に役立てようとするものである。

結果指導の手だてとして、(1)道徳的価値にかかわるテーマについて、日常の体験を振り返り、感じたことを事前にカードに記録させる、(2)カードを基に構成した発問により、児童一人一人に日常の体験を想起させ、道徳的価値について考えさせる、(3)展開場面において、役割演技により道徳的価値をとらえさせ、それを基に話し合わせ、自分を見つめさせるを取り入れた。作成した手だての試案は、実践をとおしてその有効性を検討した。研究の結果、多様な価値観に出会い、道徳的価値を自分とのかかわりでとらえ、よりよい生き方をめざそうとする意識の変容が確かめられた。このことから、本研究の指導の手だてが、道徳的価値の自覚を深める道徳の時間の指導において効果があることが確かめられた。