小学校高学年における支持的な学級集団づくりに関する研究

目的:小学校高学年において支持的な学級集団を育てるには、仲間同士が援助し合える力を高めるエクササイズをプログラム化し、実施することが有効であるかを明らかにする。

結果:プログラムの実践を通して、Q−U(学級満足度尺度)から承認得点、被侵害得点ともに有意差が認められた。これは、クラスの仲間から受け入れられ、認められているという実感が高まり、学級が自分にとって居心地のよい安心できる場所と感じるようになってきたことを示していると考えることができる。社会性測定用尺度から、仲間を助けようという意識が言葉や行動として表れるようになったことが分かる。他者とのかかわりが意欲的になり、自分がクラスの人の役に立っていると感じられるようになったことで、自分の存在価値に気付き、肯定的に受け止められるようになったと考えられる。領 域級友との親密感 級友との規範遵守 級友との倫理道徳 級友に対する働きかけ また、学級担任の日常観察から、今までかかわりが少なかった友達に対して、自分の気持ちを言葉や実際の行動にして伝えることができるようになったことを示していると考えられる。以上のことから、本プログラムが支持的な学級集団づくりに効果があったことが明らかになった。