教師と外国人児童保護者の相互理解に向けて

目的:学校現場に浸ってその複雑なシステムを捉えた上で、外国人の子ども達の学校における学びと支援のあり方について、その言語発達に焦点を当てて描き出す。

結果:インタビュー結果を受けて、教師は、保護者が日本語のコミュニティ内の関係の希薄さから情報から孤立した状況にあり、関心があってもなかなか子どもの教育に関われず学校に依存的になっているということと、子どもたちの母語の未発達が親子関係に大きく影響を与えていることを認識することとなった。また、保護者も教師が教育に熱心に取り組んでいることを理解し、現在抱えている子どもの教育に関する悩みや問題を自分の言葉で語り始めた。両者にみられた相互理解に向けた歩みは、学校の国際懇談会の開催や保護者の国別名簿の作成、そして、中国人保護者による母語教室の開講へと実践的な展開を見せた。