留学生対象科目としての古典の位置付けと実践例
目的:具体的な実践例を踏まえ、将来に向けた体系的な古典教育について(1)専門教育としての留学生対象古典科目の今後のあり方と一般教養としての古典への親しみ方(2)海外大学間交流協定締結大学との連携、という視点から検討する。
結果:現在、日本における日本語教育では、現代語の教育がその中心であり、研究の専門分野でない限り、古典文学作品や古典を体系的に扱う機会は少ない。東京学芸大学では、現代日本語・古語それぞれを専門の研究対象とする教員が留学生の日本語教育に当たっている。いわゆる「日本事情」という名の下に通り一遍の扱いに甘んじる恐れもある古典科目であるが、専門分野の研究成果を生かした本学の取り組みを、実践例の報告を通して紹介し、海外の大学間交流協定締結大学との連携や日本語教育カリキュラム上の位置付けを含む体系的な古典教育について、今後のあり方を検討する。