仲間を思いやりながら、運動に親しむ生徒を育てるための学習指導法の研究 

目的:球技(バレーボール)の特性を踏まえ、6人程度の人数でグループを構成し、意図的にグループ活動や話し合い活動の時間を設定することにより、仲間を思いやる気持ちが育ち、運動に対する意欲が高まることを実践を通して明らかにする。

結果:◆運動能力の高い生徒がリーダーになることにより、メンバーの技術向上のために取り組むのではないか:リーダーがバレーボールの比較的得意な生徒がなっており、練習方法もグループごとに工夫されたものであった。◆運動能力の低い生徒がメンバーから補助を受けることで、より技術の向上が見られるのではないか:グループ練習を通して全体の技術レベルは確実に向上した。また、学習カード(技術面)も時間を追うごとに「よくできた」と答える生徒が多くなった。◆自己の課題だけではなく、グループの課題や全体の課題についての意識が高まるのではないか。:チームの話し合いの中でチームの課題や練習内容を話し合わせ、学習カードに記入させたことにより、その成果が次の時間に見られるチームが多かった。また、学習カード(自己評価面)を見ても、自分やチームの課題に対する意識は授業が進むにつれて高くなった。◆個人の技術レベルの向上よりもグループ全体のレベル向上を目指した活動になるのではないか:チームとしての勝利を優先させているチームが多かったためか、個人を優先させた練習内容よりもチームの弱点を補強するチーム練習が多く見られた。◆運動が苦手な生徒もグループの中で自分の役割を見つけ、積極的に運動にかかわるのではないか。:生徒一人一人がチーム練習の中でそれぞれの役割を果たしながら、かつ、全員の技術の向上を目指した練習が目立った。