地域的特色をとらえる調べ方・学び方を身に付けさせる指導法の研究

目的:地域的特色をとらえるために、静態的地誌と動態的地誌を用いた調べ方や学び方を身に付ける学習を行えば、事例地域を選択して、自ら設定した課題についても、二つの視点で適切に資料選択を行い、考え、まとめて表現できる力の育成につながることを授業実践を通して明らかにする。

結果:7つの地域区分(地方)と47の都道府県に分かれた日本全体について、すべてを網羅して教え込む授業を現在の地理学習は求めていない。仮にすべてを教え込んだとしても、この変化の激しい時代では教え込まれた知識は次々と古くなり意味を成さない。地域的特色の調べ方と学び方を教え、身に付けさせれば、あとは自分たちで調べてまとめていくことができるということを念頭において本研究を進めた。成果としては、どんなことに視点を置いて調べればよいかを生徒が身に付けるようになってきたことが挙げられる。インターネットや地図帳の統計資料などの利用方法など、資料の集め方も慣れてきた。その集めた資料を自分が設定した課題に沿ってまとめていく作業を通して、表現力もある程度高めることができたと考えられる。また、本研究を進める過程で、生徒自身が調べた都道府県だけでなく、さまざまな地域について興味・関心を高めることができたと考えられる。