自分とのかかわりで社会的事象をとらえ、追求し、考える子どもを育てる社会科学習
目的:子ども一人一人が、自分とのかかわりで社会的事象をとらえ、追求し、考えるために、自分の問いから追求していくことができるような問題解決的な学習の単元構成を工夫し、体験的な学習の場や話し合いの場を充実させるとともに、子どもの学びをとらえる評価の工夫が有効であることを、実践を通して明らかにする。
結果:◆自分の問いから追求していくことができるような問題解決的な学習の単元構成の工夫(1) 成果:子どもたちに身近な地域素材を実際に見学や調査を通して考えさせ、それを整理させたことで「なぜ」という自分の問いが生まれ、意欲的に学習に取り組むようになった。(2) 課題:問いから社会的事象を具体的に調べて実感することで追求が終わっていた。追求力を高めるために、話し合いを通しながら新たな問いをもたせることが必要であった。◆社会的事象とかかわるための体験的な学習活動の場の充実(1) 成果:ふれあい交流館建設までのやりとりやかかわった人たちをゲストティーチャーとして招き、その話を聞いて苦労を実感することで、子どもたちは交流館を身近なものとしてとらえ、様々な人の願いや思いの上に建てられた施設であることに気付いていった。(2) 課題:ゲストティーチャーをより身近に感じさせるために、対話形式のやりとりを取り入れるなど、かかわらせ方の工夫が必要だと感じた。◆調べたことをもとに考えを深めることができるような話し合いの場の設定(1) 成果:かかわった人の話から考えたことをお互いに話し合う活動を通して、友達の意見から似ている点や違う点を見付け、そこから自分の考えを深めることができていた。(2) 課題:子どもの考えを生かして見方を深める話し合いをさらに活発にするために、子どもの発言内容の意図するところをとらえ、次の意見にうまくつながるように問いかけていくことが大切である。◆子どもの学びの様子をとらえるための評価の工夫(1) 成果:評価計画に基づいた具体の評価規準を設定し、新聞に自分が考えたことを振り返ってまとめさせることで、子どもたちは自分自身の交流館に対する見方や考え方を深めることができた。(2) 課題:実際に授業の中で子どもの学びを見とり意味付けていくために、教師自身が1時間1時間の中でねらいと評価を常に意識して授業に取り組んでいくことが大切である。