「見方や考え方を身に付け、調べ方や学び方を学ぶ学習の充実を図る」ための指導法に関する研究

目的:学習指導要領解説−社会編−で示されているが、各学校で実施しづらい「身近な地域の調査「身近な」地域の歴史」の学習に有効な指導事例と指導法を提案する。

結果:改訂当初あれほど話題にのぼっていた現行の学習指導要領の特に地理的分野の指導に関する問い合わせや戸惑いの声はほとんどなくなり、総合的な学習の時間との関連や評価規準に対する問い合わせや疑問が多くなった。しかし、各校の社会科指導計画や講座での提出物から判断する限り、まだ、趣旨通りの学習活動が行われていない学校が散見される。学習指導要領の曲解や個人の判断で、本来行うべき学習を行わずに従前の指導観で指導することは絶対に避けなければならない。本研究では、指導しない理由を分析し、その方策について事例を例示した。野外調査ができない場合の苦肉の策もあえて例示した。事例の基本となるのは、国立教育政策研究所や教科書会社の指導事例であろうが、それをそのまま使うことは不可能であることから、最終的には教師側の教材開発への姿勢や経験の問題となる。生徒に直接経験させる前に教師が直接経験しなければならない。社会科を運営する上で野外調査の時間は必ず確保しなければならないものであり「見方や考え方を、身に付け、調べ方や学び方を学ぶ」ためには必要不可欠のものであることを確認した。