多様な考えを引き出し、一般化を図ることによって、数学的な見方や考え方を深める指導法の研究

目的:課題解決に際して多様な考えを引き出し、それらの考えから一般化を図ることによって数学的な見方や考え方が深まることを図形領域の授業実践を通して明らかにする。

結果:単元に入る前までは、深く考えずに直感的に答えを出そうとする生徒、ただ形式的に解いて答えを出す生徒、与えられた課題を解いたらそれで終わりという生徒が多かったが、多様な考えを求め、一般化まで要求することで、生徒は一つの解法にとらわれず、他の解法や一般化できないかどうかを考えるようになった。またそれらができたときには驚きや感動を覚え、数学に対しておもしろさ・楽しさを感じることができた。そして、自分の力で解決したという達成感や他の人が気付かなかった方法で解けたという喜び、他の方法に気付いた仲間との認め合いも同時に感じたようである。この取り組みを通して、生徒は課題解決において既習事項が使えないかどうかを考え、さらに発展的になっても通用する考えかどうかを追究するようになった。その結果として、既習事項の定着と事象に対して多面的に見たり、さらに拡張したり、あるいは帰納的な考え方や類推的な考え方で一般化していくといった豊かな視点で考えられるようになり、数学的な見方や考え方が深まった。