科学的な見方や考え方を育てる支援、指導法の研究

目的:科学的な見方や考え方を育てるには、生徒の課題発見や気づきを大切にしながら、授業などで獲得した科学的な知識を基に、地域の問題をとらえさせて、学習内容を関連させて考えることができるようにする指導が有効であることを明らかにする。

結果:◆学習した内容を確認しながら、自分の考えを組み立てていくことができるようになる指導について、ノートを9時間分の授業内容が記入できる1枚のプリントに代えた。その結果、生徒は以前に学習した内容を確認しながら知識を組み立てていくことができ、単元の学習課題である「雲の発生と降雨のしくみ」については、ほとんどの生徒が授業で獲得した科学的知識を用いて説明できるようになった。◆学習内容を関連させて考えることができるようになる指導と地域の実態の教材化の工夫について、科学的な側面と社会的な側面とを関連させて地域の問題を考えさせる取り組みにより、産廃のとらえ方に変容が見られた。今まで考えられなかった周辺地域への影響、自然やそこに住む人々の体への影響など産廃が引き起こす可能性について、授業で獲得した科学的な知識を用いて説明できるようになった。このことにより、生徒に科学的な見方や考え方が育ったと判断できるのではないだろうか。また、ポイ捨ても環境破壊につながることに気づき、環境破壊はやがて地球破壊へとつながるという意識を持つに至った生徒も出てきた。また、環境について今までの自分の行動を評価しようとする態度が見られるようになった。◆生徒個々の考えをさらに深めさせる場の設定について、課題を設定し、個人で考えたことを班の中で話し合いをさせる。次に全体で発表させて質疑応答させる取り組みにより、生徒一人一人が自分の考えを持ちそれを深めることができるようになることを確認できた。◆学びが確認できる評価の工夫について、毎時間、学習課題に対する自己評価項目を設定した。このことにより、何ができるようになればよいのかが明確になり、生徒はめあてを持って授業に臨むことができるようになった。