日常生活と学習の結びつけによる,科学的な見方や考え方を育成する指導法の研究

目的:『物質と原子・分子』の単元において,炭の燃焼や使い捨てカイロなどの身近な素材を授業に取り入れることにより,化学変化と日常生活の関連が深まり,科学的な見方や考え方が育つことを検証する。

結果:◆身近な化学変化を取り入れた学級では、授業内で未知の化学反応式を導き出すことができた生徒が最終的に21名中12名(57%)であった。それに対し,通常の授業を行った学級では,21名中5名(24%)にすぎなかった。身近な化学変化を授業に取り入れることで,科学的なものの見方や考え24方が高まっている。◆検証授業内で自己評価させたところ,授業内容の理解度,化学式の作り方,授業への集中度のいずれも身近な化学変化を取り入れた学級と取り入れない学級では,取り入れた学級の方が高い評価を示した。◆身近な化学変化を取り入れた学級で行った事前,事後の意識調査の結果「実験や観察が好きだ」と答えた生徒が15名( 71%)から21名( 100%)と増加している。このことから,身近な化学変化を取り入れることによって,実験や観察に対する興味・関心が高まった。