一人一人に基礎・基本を定着させる指導法の工夫

目的:一人一人の生徒が基礎的基本的学習内容(基礎・基本)を自分たちの力で獲得しながら、確実に身につけるために、グループ学習を取り入れたり、個に応じた学習を行うことが有効であることを実践的に明らかにする。

結果:◆グループ学習:研究における基本的な考え方によるグループ学習にかかわる様々な条件を整えながら、特に教具を使った教え合いの活動を通して、ほとんどの生徒に基礎・基本を定着させることができた。◆個に応じた学習 一人一人の生徒の理解度に合わせた課題に取り組ませたり、復習コースを設けて学習させることで、理解の遅い生徒にも概ね基礎・基本の定着を図ることができた。また、難解な内容ほど、この学習の効果が強く表れることがわかった。個に応じた学習を行っても、難解な内容では、基礎・基本の定着まで至らなかった生徒も何人かいたが、個々の生徒は、難解な内容を完全に理解するまではいかなくとも、途中の段階までは理解できていることが、復習コースを指導する中でわかった。また、持っている能力の限界まで努力する姿を見て取ることもできた。このように教師が、個々の生徒が学習内容をどこまで理解できているのかをつかんだり、個々の生徒の頑張りを認めることができたことも、この学習の成果と考える。一人一人の生徒に基礎・基本を定着させるためには、その内容を理解できている人が、理解できていない人にどれだけ直接教えることができるかが重要なポイントである。それを担うのは、グループの中では、リーダーであり、個に応じた学習(復習コース)では教師である。グループ学習とそれに続く個に応じた学習によって、授業の中で直接教える機会をしっかりと確保できたことで、ほとんどの生徒に基礎・基本を定着させることができた。以上のことから、一人一人に基礎・基本を定着させるための学びの方法として、グループ学習とそれに続く個に応じた学習が明らかに有効であると考える。