確かな学力を身に付けさせる理科指導法の研究

目的:理科の学習指導において、自然を愛する心情や問題解決の能力、科学的な見方や考え方を高め、「確かな学力」を身に付けさせるには、自然の事物・現象について、感じ、考え、実感できる指導の工夫をすればよいことを、実践を通して明らかにする。

結果:◆自分の体のつくりと働きのすばらしさや巧みさを感じ、考え、実感できる単元構成の工夫について(1)多様な学習活動が展開できるように単元を構成することで、児童の関心・意欲を高め、主体的な問題解決の活動を通して、自分の体のつくりと働きのすばらしさや巧みさを感じ、考え、実感することができた。(2)自分の体のつくりと働きのすばらしさや巧みさについての気付きを深める指導を意図的に盛り込むことによって、児童が問題解決の活動で得たいろいろな知識を結び付け、生きるために必要な体のつくりと働きについて考え、そのすばらしさや巧みさを実感することができた。◆ 児童一人一人が見通しをもって自分の体のつくりと働きについて働き掛けることができる活動の工夫について(1)教師が提示した実験を一斉に行うのではなく、問題解決的な学習過程を大切にすることによって、児童一人一人が見通しをもって主体的に観察、実験などを行うことができた。(2)児童一人一人の評価を生かした支援を行うことによって、児童一人一人が見通しをもって自分の体のつくりや働きについて働き掛け、追究の喜びや分かる喜びなど、「学びの楽しさ」を味わうことができた。◆学習したことが生きて働くように、既習事項や日常生活との関連を図る工夫について(1)本単元に関わる事物・現象について、学習したことを生かして考える活動によって、自分の体のつくりや働きについての理解を深め、日常生活の現象とも結び付け、より強く実感することができた。(2)本単元で身に付けた学び方を次の単元でも継続することによって、主体的に問題解決の活動に取り組み、自然の事物・現象について、感じ、考え、実感することができた。また、問題解決の能力や科学的な見方や考え方を生かしながら、さらに磨きをかけ、「確かな学力」を身に付けさせることができた。