ITを活用した広域ミュージアムスクールで学ぶ恐竜学のカリキュラム開発に関する研究

目的:岐阜県、石川県などに分布する手取層群から産出した恐竜化石など白亜紀(約1億4000万年前)の脊椎動物化石を学習することにより、中生代の白山地域における動植物相や古環境を理解し、中生代と現在の生態系を対比させ、未来の自然と人間の在り方にまで思いを馳せられる次世代の人材育成を目指すための一つのモデル案を策定する。

結果:小学生・中学生・高校生・大学生、大学院生、研究者、教育者、一般成人などで構成される2つのモジュールを、国立科学博物館と北九州市立自「科博たんけんクラブ」然史・歴史博物館に組織し、共通の化石標本資料などを「恐竜時代の生き物たち研究隊」利用し、携帯電話テレビ会議システムを活用して相互にフィードバックしあいながら恐竜学の基礎を学習するカリキュラムを開発した。また、研究チームは同じ白亜紀の地層を教材に、先進的な活動を行っているメルボルンにあるモナッシュ大学サイエンスセンターを訪問し、同センターが毎年夏期に行っている地域ボランティアによる化石発掘体験プログラム(Dinosaur Dreaming)に参加した。その際に、発掘現場担当者やメルボルンの小・中学生等と交流し、さらに「科博たんけんクラブ」のメンバーを含む科博の入館者たちととも携帯テレビ電話を利用して交流活動を行った。これらの研究成果等はインターネット経由で発信し、広域ミュージアムスクールの一つのモデルを実現した。