伝え合う力を育てるための単元構成の在り方

目的:児童がこれまで身に付けた国語の力を使い、国語を学習する楽しさを実感しながら他者とのかかわりの中で伝え合う力を高めていくための単元構成の在り方を、実践を通して明らかにする。

結果:◆活動意欲を喚起・持続させる単元構成の工夫について単元を通して、児童の活動意欲が持続するように、単元の中心に小グループによる詩の音読対抗戦を設定したことにより、児童は伝える相手(審判役の保護者・先生方、観客役の児童・自分のチームや相手チームの児童)や目的(相手グループとの対抗戦を通して、自分が作った詩に込めた思いを相手に伝えること)をはっきりと認識し、意欲的に楽しみながら活動することができた。◆伝え合う力を磨くための単元構成の工夫について伝え合う力を磨いていくための単元構成の工夫として、詩の音読の仕方を小グループで話し合ったり、音読対抗戦で感想を話したりする場面を設定したりしたことは、よりよい詩の音読をするために観点に沿って話し合うことを可能にし、普段、言語活動に対して消極的な態度をとっていた児童も積極的に活動することができた。児童が他者とのかかわりの中で伝え合う力を磨くことができたと考える。◆主体的に伝え合う力を高めていくための単元構成の工夫について児童が主体的に伝え合う力を高めることができるように、詩の創作から音読対抗戦という活動を2セット設定した。1セット目の活動をビデオで振り返り、伝えたいことを伝えるための音読の方法を話し合ったことにより、2セット目の活動に対して見通しをもつことができ、1セット目と2セット目では児童の音読に明確な変容が見られ、伝え合う力を高めていくための単元構成の有効性が確認された。