英語の「聞く力」の育成について

目的:2006年1月の大学入試センター試験より、かねて強い要望のあったリスニングテストが実施されることになった。2004年9月26日には施行テストも実施され、入試センターによる実施準備も佳境である。従来の外国語の試験時間とは別に20〜30分の時間を設定し、50点満点になるとのこと、高等学校の現場では、いよいよ授業におけるリスニング活動への取り組みの濃淡が問われることになる。リスニング問題は何を測定するのか、正答するためにはどんな要素が求められるのか、さらには平素の学習に及ぼす影響についても考察し、『「英語が使える日本人」のための育成の行動計画』の実践的コミュニケーション能力の育成に寄与する。

結果:実践的コミュニケーション能力の向上を図る最善の方法は、テストにおいて実践的コミュニケーションの場面を設定することである。実際の英語の会話と同じ場面・状況を、テストの中に作ることである。守備が苦手な野球選手は、うまくなりたければ、守備の練習をする。打撃の技術を向上させたいならば、打撃の練習時間を増やすはずである。「聞く」ことが不得手であれば、当然「聞く」活動を増やし、「聞く」学習に割く時間を多くするすべきである。英語を第二言語として学習している我が国においては、英語学習におけるテストの占める意味は大きい。なるべく実際の場面・状況に即したリスニング問題の出題を増やして、英語の授業を変革してはどうか。