高学年の学級における子どもの友達関係の広がりと学級生活満足度に関する一考察

目的高学年(5、6年生)の学級において「学級における子どもの友達関係」と「学級生活満足度」についての調査・分析を行い、「とても仲のよい友達」及び「まあまあ仲のよい友達」がいることと子どもの「学級生活満足度」との関連を検討する。その結果をもとに、広がりのある友達関係をはぐくむための教師の支援の在り方を探る。

結果:子どもの友達関係の親密さの度合いに応じて 「とても仲のよい友達」「まあまあ仲のよい友達」「ほとんど話をしない人」「気が合わない人」の4つのタイプを設定して、「高学年の学級における子どもの友達関係」と「学級生活満足度」についての調査・分析を行った。そして、高学年(5、6年生)の学級において「とても仲のよい友達」及び「まあまあ仲のよい友達」の両方がいる子どもは、学級生活満足度が非常に低い値を示さないことを実証した。また、「『まあまあ仲のよい友達』の人数が1人より複数いることの方が子どもの心に安心感をもたらし、学級生活満足度を上げることにつながる。よって『まあまあ仲のよい友達』は、子どもにとって大切な存在であること」などが明らかになった。また、「とても仲のよい友達」と「まあまあ仲のよい友達」の交流内容に違いがあることも分かった。これらの結果を踏まえ、「とても仲のよい友達」をつくるとともに「まあまあ仲のよい友達」を増やして友達関係を広げるために、教師はどのような支援を子どもにしていけばよいのか、学校生活の中でできる取組を提案した。