地図を題材にした数学の授業実践に関する一考察

目的:ヴィニョーラの原典の解釈、その原典の中で紹介されている天井画作図器(道具)の使用による異文化体験ならびに、地図と三角関数等との関連の学習から、興味・関心を一層喚起し、数学観の変容が授業内で達成することができるかを考察する。上記の目的を達成するため、以下の課題を設定する。課題1:ヴィニョーラの原典の解釈を通じての異文化体験を取り入れた授業の中で、天井画作図器を操作する数学的活動を行うことにより、人の営みとして数学を捉え、数学の有用性を感じることができたか。課題2:透視円筒図法とメルカトル図法の比較を行い数学的な違いを理解することで、地図に数学が果たしている役割を理解することができたか。課題3:課題1、課題2を通して、興味・関心を持って活動し、数学が生活に関わっていることが理解できたか。また、数学観の変容を促すことができたか。

結果:本研究では、曲面に透視画を描く装置を用い、授業を実践した。これにより、人の営みとして数学を捉えることができた。また、その装置と数学的なつながりから日常生活の関わりの深い地図を題材に取りあげ、数学と地図の関係を認識することが確認できた。これらのことを踏まえ、数学への興味・関心を喚起し、数学観の変容を促すことが示された。