道具と数学史を用いた授業研究

目的:解釈学的営みとしての数学的活動を通して、数学を人の営みとして捉え、数学への興味・関心を高め、「数学を学ぶことのたのしさ」を身に付けられることを目的に考察する。その目的を達成するために、以下の課題を設定する。課題1:数学史の原典解釈や追体験を取り入れた授業を通して、また当時の測量で使われていた道具の利用により、生徒が学んできた数学との関わりの違い、共通点を認識することができるか。課題2:課題1を通して、数学を人の営みとして捉え、数学への興味・関心を高め、「数学を学ぶことのたのしさ」を身に付けることができるか。

結果:本研究では、数学学習において文化的価値を備えた道具と数学史の原典解釈を取り入れた授業により、生徒が「数学を学ぶことの楽しさ」を身に付けられることを目的に考察を行った。六分儀及び『六分圓器量地手引草』を題材とした授業によって、生徒は三角比を測量に使うことができるということを学んだ。また、これによって数学を身近に感じ、数学への興味・関心を高め、「数学を学ぶことの楽しさ」を身に付けることが確認された。