重差術を用いた授業研究

目的:中国の数学原典を通し、当時数学が活かされていた事実を取り上げた。歴史的な道具(算木)と現代の筆算を併用しながら古代の数学問題を解く授業を行った。道具を用いてその時代を追体験することで、数学の過去・現在に存在する真意を再考し、数学はいかに変化をしたかをするものである。数学に対する興味・関心を一層喚起するとともに数学観の変容を考察する。

結果:本稿では、中学生を対象とした授業において、中国の秦漢時代に発展した数学による重差術を扱った結果と考察を述べる。歴史の観点から当時中国の数学の知恵を学ぶことで生徒の数学観に与える影響・変化を考察した。また、今回の授業では、海島算経を使うことにより、生活の中の身近なものを使って大自然の中に数学がさまざまな形で潜んでいる事を生徒に示した。