解釈学的営みによる生徒の数学観の変容
目的:数学史における原典解釈による「解釈学的営み」を通し、数学への興味・関心を一層喚起するとともに、自らの考えを深めるなどの数学観の変容を見ることができるかどうかを考察する。ただし「原典」とは、翻訳文献まで含めることとする。
結果:本研究では、古代中国、古代ギリシャの宇宙観を構成するために用いられた日時計の使用法の中にひそむ数学を教材化し、原典解釈、追体験を通した授業を実践した。これにより社会生活において数学が果たしている役割や、生徒が数学を学ぶ意義を見出し、数学に対する興味・関心を持つことができるか否かを考察した。その結果、当時の道具や、その模型を用い、頭と手を使って考える作業を行うことが有効であることが考察できた。