研究紀要

目的:小学校第4学年の実践を通して高まったメディア・リテラシーを分析する。そして、先行実践・研究の成果と比較しながら発達段階にかかわる考察を行い、中学年における指導の目安を探りながら、「小学校メディア・リテラシー教育目標リスト」を作成する。

結果:小学校におけるメディア・リテラシー教育の目標リストを作成するために、第4学年児童を対象にした実践的検証を行い、授業実践や事前事後指導から得られたデータよりメディア・リテラシーの高まりを分析した。過去の高学年実践のデータや先行研究における知見と比較しながら考察した結果、中学年のメディア・リテラシー教育では、その到達目標を「映像・文字情報等の特性を踏まえて、情報を分析的に受け止め、伝えたいことを効果的に表現する力」の育成に置くことは有効であるが、「社会的な文脈の中で制作者の意図を読み解く力」の育成に置くことは難しいという点が示唆された。このことを踏まえて、発達段階を考慮した「小学校メディア・リテラシー教育目標リスト」を作成した。